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諏訪の企業と都心クリエーターが技術凝縮 都内でミニ四駆レース

2017年10月16日

ミニ四駆
 諏訪市内のものづくり企業と首都圏のクリエーターらがミニ四駆作りを通じ、各社の技術力を可視化するワークショップ「スワッカソン」が14、15両日、東京都内で開かれた。企業とクリエーターで編成する7チームが、多彩な切り口でマシン作りに挑戦。全長約80メートルのコースで闘わせ、技術力やアイデアをぶつけ合った。
 デザイナーやクリエーターを呼び込んで市内企業の活性化を図る「SUWAクリエーティブシティ化戦略事業」の一環。企業とクリエーターの交流を促して商機の創出につなげるのが狙いで、市内企業からはエー・アイ・エヌ、共進、小松精機工作所、デーデック、nittoh、松一、丸安精機製作所、クリエーターは約20人が参加。8月の工場見学を踏まえてチームを編成し、約2カ月かけてオリジナルのマシンを仕上げた。
 ハッカソン(成果を競う開発イベントの一種)は、ヤフー・ジャパン本社が入るビルのコワーキングスペース「LODGE(ロッジ)」を会場に設定。初日に組み立て、2日目にマシンのプレゼンとレースを行った。
 ギアやシャフトに高硬度の金属を使用したハイトルク型や、直線やカーブでスピードを自動制御できるマシン、音楽に連動して走る仕組みなど、発想や特性はさまざま。長年培った研磨技術を生かし、日本刀のような鋼の車体を作ったチームもいて、小さなボディーに各企業が持つ最先端技術や匠(たくみ)の技を詰め込んだ。
 レースは総当たり戦で行い、順位のほか、同市の技術の生かし方やアイデアの独創性を審査した。コーナーで吹っ飛ぶマシンや、審査員の予想を上回るスピードで駆け抜けるマシンたちに、参加者たちは童心に帰って大盛り上がり。技術者が”本気”で作ったミニ四駆が、次々とドラマを展開した。
 各マシンは、19日(木)から始まる諏訪圏工業メッセの会場で展示する。スワッカソンを企画したロフトワーク(東京)の男性は「技術を見える形で組み込み、僕らの想像を圧倒的に超えるマシンを作ってくれた。諏訪の高い技術力を引き出すこうした取り組みが、日常的に行われる状況をつくっていきたい」と話していた。

(写真は、ものづくり企業とクリエーターが”本気”で作ったミニ四駆で、熱戦を繰り広げた会場)