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壁面アートでにぎわいを 中央通りのカフェ

2017年9月22日

ウオールアート

 岡谷市中央通りのカフェ店内で、若手アーティストによる幅5メートル、高さ2・5メートルの巨大な壁面アートの制作が進んでいる。女性が油性ペンを片手に、黙々と描き上げていく様子は注目を集め、店外から高校生が様子をのぞき込んだり、過程を写真に収めたりする来店者の姿も。仕掛け人の吉江勇介さん(37)は「ここを起点に街全体に広がり、将来的にはアートが岡谷に人を呼び込む資源の一つになっていけば」と期待を寄せる。
 会場になっているのは、吉江さんが代表を務めるカフェ・ヒルバレー。掲示板を置いていたスペースの壁紙を張り直して〝キャンバス〟とし、10日からほぼ毎日、吉江さんと同じ辰野町出身のグラフィックデザイナー、中谷麻友子さん(26)がペンを走らせる。
 「迫力や躍動感あるものを—」というコンセプトからクジラをイメージ。絵本から着想し、約100匹の魚を泳がせ全体を見るとクジラを形作る作品に仕上げるという。魚の一つ一つは幾何学的な模様が描かれ、中谷さんは「思い付くままに描いています」と笑う。
 企画の切っ掛けは、8月に初めて来店した中谷さんの絵を吉江さんが見て声を掛けたこと。「これは岡谷の資源になる」と店内に描いてほしいと依頼した。中谷さんが滞在していた米国では「ウオールアート」として街中の芸術が観光地にもなっているという。
 「インスタ映え」などの言葉が使われ、ソーシャル・ネットワーキング・サービスによる写真の発信が若者を中心に広がりを見せる中、吉江さんは「こうしたアートが街全体にあれば、観光資源が多くはない岡谷に外から人が来ることにもつながる」と力を込める。
 今後は描いてほしい企業や店、描きたい若手アーティストの仲介役にもなり、企画の輪を広げていきたい考え。作品は日の同店の1周年パーティーでお披露目し、中谷さんは「海外のようにアートを生活の中で身近に感じてもらえたら」と願う。
 問い合わせはカフェ・ヒルバレー(電090・1264・2658)へ。

(写真)中谷さんの手で制作が進む壁面アート