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竪穴式茶室「低過庵(ひくすぎあん)」が完成

2017年9月18日

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 茅野市出身の建築史家・建築家の藤森照信さんの竪穴式茶室「低過庵(ひくすぎあん)」が完成した。オープンセレモニーが17日、宮川高部の神長官守矢史料館近くの現地で行われ、制作ワークショップ参加者ら約50人が早速見学。可動屋根を持つ半地下式のユニークな新作茶室に感嘆の声を上げた。
 開催中の「八ケ岳JOMONライフフェスティバル」の関連事業「縄文アートプロジェクト2017」の一環で、04年完成の茶室「高過庵(たかすぎあん)」の脇に設置した。広さは約5・4平方メートル。高さは約4・2メートルで、床から約1・2メートルは半地下式になっている。
 独創的な建築で知られる藤森さんの新作ということで注目を集め、7月から8回開催した市民参加型の制作ワークショップには、全国各地の「フジモリ建築」ファンら114人が参加。藤森さんの幼なじみの地元大工たちと一緒に作業に取り組んだ。
 藤森さんは「昔はこの辺り全部が桑畑で、山に入って木を切って遊んでいた。村で育ったことが、建築の基礎的な力になっている」と故郷への思いを交えてオープンのあいさつ。妻の美知子さん、山田利幸教育長、茅野市民館の辻野隆之館長らと共に茶室開きの茶会で完成を祝った。
 見学した茅野市玉川の女性は「中は思ったよりも明るくて、温かさと安心感があった。屋根を開けると外の光が入り、開放感のある雰囲気に変わった。ワークショップにも参加して、とても良い経験をさせてもらいました」と話していた。
 茅野市美術館は茶室の公開を予定している。公開日は10月1(日)、4(水)、8(日)、9(月=祝日)、12(木)、15(日)、20(金)、22(日)の各日。無料で、受け付け順に1人10分ほど入室できる。問い合わせは同館(電0266・82・8222)へ。(写真は完成した半地下式の茶室「低過庵」=魚眼レンズで撮影)