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わら人形に無災害願う「御水神講祭」

2017年8月21日

文出御水神講祭り170820
 江戸時代から続くとされる諏訪市の豊田文出区の「御水神講祭」が20日あり、宮川に架かる四ツ家橋から人身御供のわら人形を落としたり、区内7カ所へ塔婆を挿した柳の枝を取り付けたりして、地域の無災害を願った。
 祭事は区が主催。文出公民館に役員や町内会長ら約30人が集まり、神事で柳の枝にわらと五色の御幣を巻いたわら人形などに願いを込めた。
 この後、近くの四ツ家橋へ移動。「一同、川の中ほどをお向きください。区長、人形を逆さに落としてください」の合図で、両岸から縄で結んだわら人形を持った上原哲夫区長が、神妙な表情で川に向かって人形を頭から落とした。人形は橋の横に固定し、来年の祭りまでそのまま取り付け、区民の安全を守ってもらう。
 上原区長は「先人の話では、人形は災いを代わって受けてくれる存在という。一年間、区民を守ってくれることを祈りながら、落とした」と話した。諏訪湖河口や舟渡川との分岐、合流点などにも塔婆の付いた柳の枝を付けた。
 豊田村誌によると、宮川はたびたび洪水を起こし、これを水神がいけにえを求めるのだと考えられた。稲作で最も水が大切な時期になる盆から二百十日までの間に祭事を行い、水神に人身御供をささげることで、地域の無災害を祈願する必要があった—と、祭りのいわれが伝えられる。

(写真は、わら人形を川に落とす上原区長)