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北欧音楽祭 公募合唱団が練習開始 赤彦童謡をオーケストラと初共演
2017年8月13日
10月7日(土)から9日(月=祝日)まで下諏訪総合文化センターで開く「北欧音楽祭すわ2017」(同実行委員会主催)に向け、地元住民で組織する公募合唱団が2年ぶりに立ち上がり、11日夜から同センターで練習を開始した。ことしの音楽祭では、下諏訪町ゆかりのアララギ派歌人・島木赤彦の童謡を初めてオーケストラの伴奏で歌う壮大な企画があり、団員たちは美しいハーモニーを披露しよう—と張り切っている。
赤彦の童謡は、茅野市出身の作曲家・竹内邦光さんが、友人で北欧音楽祭実行委員長の武井勇二さん(下諏訪町北四王)に提案して取り上げた。赤彦と同じ、茅野市豊平小学校下古田分教場に学んだ竹内さんは、赤彦と幼少期を過ごした母方の祖父から思い出話を聞かされて育ち、浅からぬ縁から09年、赤彦の詩「光」「土掘れ」に曲を付けた。北欧音楽祭では、オーケストラ用に編曲されたこの二つの童謡を、諏訪交響楽団の伴奏で歌い上げる。竹内さんは代表曲の無伴奏バイオリン曲「落梅集」が、昨年11月のベルギー現代音楽祭で演奏されるなど、近年世界的に評価が高まっている。
11日の練習には、諏訪地方の合唱団に所属する人など約30人が参加。音楽祭では赤彦の童謡のほか、フィンランドの国民的作曲家シベリウスの交響詩「フィンランディア」を歌う。指揮と指導を担当する諏訪響音楽顧問の保坂俊正さんは「コーラスだけでも素晴らしいが、オーケストラと共演することで、また違った素晴らしさが表れる」と相乗効果に期待。西村団長は「気持ちを一つに楽しいコーラスにしましょう」と呼び掛けた。更に合唱仲間や男性の参加を募り、50人規模の編成で音楽祭に臨む計画。
ことしの北欧音楽祭は「北欧デンマーク友好150周年記念に捧(ささ)げる」がテーマ。日本とデンマークの外交関係樹立150周年の節目を記念し、9日午後3時から、元デンマーク大使で県文化振興事業団理事長の近藤誠一さんによる「デンマークの魅力」と題した講演会を開く。
また、音楽祭の発端となったフィンランドの血を受け継ぐ諏訪地方ゆかりの世界的指揮者・渡邉暁雄さん(1919〜90年)の長男で、ピアノ奏者の渡邉康雄さんによるリサイタル(8日、午後3時開演)、元フランクフルト放送交響楽団ホルン奏者・大野総一郎さん(フランクフルト)が、ことし1月に結成した諏訪ホルンアンサンブルの設立記念演奏会など、見どころいっぱい。
フィンランディアや赤彦童謡の演奏と合唱、設立記念演奏会は7日午後2時開演の「親と子どものためのコンサート」内で行われる。同日午後1時から諏訪ホルンアンサンブルによるロビーコンサートも予定されている。渡邉康雄ピアノリサイタル以外は入場無料で、整理券を文化センターで配布している。合唱団員の募集を含む問い合わせは、同センター(電28・0018)へ。
(初練習で声を合わせる合唱団)