NEWS

蓼科・夏の小津会 監督の功績語る

2017年7月29日

小津会
 日本映画界の巨匠、小津安二郎監督(1903〜63年)の人柄や功績を見つめる「蓼科・夏の小津会」が28日、3日間の日程で始まった。小津監督の別荘を移築した茅野市北山蓼科の「無藝荘(むげいそう)」を会場に、音楽や美術などさまざまな側面から、関係者や研究者10人の話を聞く。
 今秋20周年を迎える「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」のプレイベント。大勢の講師を招く本格的な開催は2012年、13年に続き3回目になる。オープニングセレモニーでは、小津監督のめい小津亞紀子さん(67)=千葉県野田市=が「皆さんに育てられ、迎えた成人式を祝っていただければ」とあいさつした。
 最初の講座では、元小津組プロデューサー山内静夫さん(92)=神奈川県鎌倉市=と小津監督のおい長井秀行さん(80)=同=が対談。山内さんが「監督はストーリーより、一人一人の人間がどう生きているかを描くことに心を砕いた」と言えば、長井さんも「人への愛や興味がものすごい」と同調。「立場や権威でなく、内面を見て親しくなる人を選んでいた」「心の中を見透かされたようで、うそがつけなかった」という逸話も語られた。
 山内さんは締めのあいさつで、「21年目を頑張ってやってほしい。当初の趣旨を忘れず、小津記念の気持ちを持って上映する作品を選んで」と映画祭の今後に期待した。(写真は、無藝荘で小津監督の人となりを語る長井さんと山内さん)