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脱炭素へ箕輪町設備整う
2025年4月26日
箕輪町は25日、ゼロカーボン推進の一環で実施した役場庁舎北側駐車場ソーラーカーポートなど役場周辺整備事業の竣工(しゅんこう)式を同駐車場で開いた。カーポートのほか、保健センターなど庁舎周辺施設に導入した太陽光パネルで発電した電力を自営線を通じて各施設で融通し合い、二酸化炭素(CO₂)排出量削減を進めると共に、災害による停電発生時には蓄電池などからの電力供給が可能となることで防災力強化も図る。
ソーラーカーポート整備や庁舎周辺への太陽光発電設備など設置工事は、環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金などを活用した総事業費9億4930万円の大型事業。太陽光パネルは、カーポート、保健センター、文化センター、庁舎の4施設にPPA方式で合計625枚を設置した。年間発電予定量は49万キロワットアワーで、役場周辺5施設の年間電力使用量の43%を賄い、CO₂排出量は年間163トンの削減を見込む。
カーポートの駐車区画は110台分で、公用車用が44台分、保健センター利用者分が31台分。公用車のEV(電気自動車)が使用する普通充電器は22基、急速充電器は2基を備える。
EVと施設などとの間で電力融通を可能にするV2Xシステム(蓄電池とEVの双方向充電器)は、国内最大規模の10基を完備。同システムを通じて、平時は日中に各施設で使い切れなかった電力を蓄電池やEVにため、天気の悪い日や夜間に施設に給電する。災害時には、役場に設ける災害対策本部へ蓄電池とEVからの給電で5日分の電力が確保できるようになっている。
充放電設備、カーポートなど駐車場整備工事を日之出建工(松島)が、太陽光パネル設置の初期費用がかからないPPA(電力販売契約)方式での発電・電力供給事業を八十二Link Nagano(長野市)が請け負い、設計や施工の各段階においてコスト、工期、品質などの管理を行うCM業務は明豊ファシリティワークス(東京都)が担当した。
式には、実施事業者や町議会議員、県関係者や町職員など約40人が出席。白鳥政徳町長は「役場庁舎周辺の整備事業は、ゼロカーボンを進める上で地域に波及するモデル施設となるよう実施した。今後も、町民や事業者と連携しながら(ゼロカーボンの)目標達成に向けてまい進していきたい」とあいさつした。
太陽光発電と各施設への電力供給は1日から始まっており、駐車場は5月1日(木)から利用を開始する。
(写真は、事業の完成を祝ってテープカットをする関係者ら)