NEWS
写真で記念事業振り返る 岡谷蚕糸博物館紀要第19号を発行
2025年4月25日
岡谷蚕糸博物館は、蚕糸業の歴史や文化、技術などを記録する同館紀要の第19号を発行した。昨年度の開館60周年、リニューアルオープン10周年の記念誌にも位置付け、同館職員と外部のシルク関係者ら延べ59人が寄稿。記念事業を写真特集で振り返るほか、館の運営にさまざまな立場で関わった市内外の人が節目に寄せた思いなども載せた。
巻頭言として、1994〜2011年に名誉館長を務めた嶋崎昭典さんの館への思いを掲載。開館60周年に当たっては、シルク関係の企業、団体や市教育委員会の宮坂享教育長、岡谷商工会議所の小林睦巳会頭ら各界の代表者14人が思いを寄せた。
巻頭のカラー17ページでは23、24年度の企画展や小学生らを対象とした学習事業のほか、五つの周年記念事業も特集。昨年4月に亡くなったブライダルファッションデザイナー桂由美さんの作品を集めた展示やファッションショー、記念式典、日本絹文化フォーラム、シルクサミットの様子を写真で振り返る。
第1号から続く聞き取り調査の記録では、同館に併設する宮坂製糸所(郷田)の宮坂照彦会長と、製糸会社の山十製糸からみそ工場へ転換した松亀味噌(湖畔)の小口政博会長を取り上げる。
紀要は1996年度に創刊。発行は一時途絶えたが、2020年度に復活した。通常は100ページほどだが、記念誌に位置付ける今号は180ページに増やして「For the Future」(未来のために)と副題も付けた。髙林千幸館長は「60周年を一つの区切りとし、これまでのことをまとめた。次号からも生の声を残し後世につなげたい」と話す。
A4判で500部作製。税込み1800円で、同館や笠原書店本店(塚間町)で購入できる。問い合わせは同館(電0266・23・3489)へ。
(完成した紀要を手にする髙林館長=右=ら)