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諏訪地域で映画撮影着々 来年以降公開の「RE—CORD」
2025年4月16日
来年以降公開予定の映画「RE—CORD(レコード)」の撮影が、諏訪地域をメインに行われている。諏訪市湖南板沢区の古民家を中心に霧ケ峰、下諏訪町の鷲ケ峰、茅野市笹原地区などで進められ、14日には主人公役の奥田瑛二さん(75)と孫役の「のせりん」さん(21)の俳優陣、山梨県出身の山中有監督(48)=東京都在住=、関係者らが板沢区の古民家で鹿をさばくシーンに臨み、報道機関にも撮影の様子を特別公開した。
映画は長野県の架空の街が舞台。長い間、孤独に暮らしてきた老猟師の元に突然、孫を名乗る少年が現れるところから始まる。一緒に暮らすようになり、初めは反発していた2人だが、互いの過去が少しずつ分かるにつれ、次第に心を通わせていく物語。話の中心となる古民家は、板沢区にある築74年の木造平屋の空き家を間借りして進められ、同区長で猟師兼農業を営む男性(73)も小道具の貸し出しなどで撮影に協力する。
山中監督は短編映画やドキュメンタリー、コマーシャルを多数手がけ、昨年にはアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」のナショナル部門に出品した「ストレートパス」が最高の栄誉「ブランデッドショーツオブザイヤー」を受賞し、国内外で注目を集めている。今回初めて長編作品に挑む。
映像制作会社DASH(東京都)によると、3月26日に都内でクランクインし、作品の3分の2を諏訪で撮影する計画という。山中監督が考えたオリジナルの脚本で、撮影地はシナリオを書く段階から森の多様性が広がり、日本有数の山がある霧ケ峰や鷲ケ峰、駒ケ根市の千畳敷カールなどを想定。諏訪圏フィルムコミッションの宮坂洋介さんに相談し、数ある撮影地候補の中で、同区の古民家が目に留まり、メインの現場が決まったという。
作品は10月下旬に仕上げ、11月ころから欧州を中心にさまざまな国際映画祭に出品する計画。その後、日本で公開する予定という。
(写真は、和やかに打ち合わせをする奥田さん㊧と山中監督)