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28年御柱祭の日程決まる 通常の形で斎行方針

2025年4月5日

 諏訪大社大総代会と諏訪大社は4日、2028(令和10)年に控える諏訪大社御柱祭の日程を発表した。山出しは上社が4月1日(土)〜3日(月)、下社は8日(土)〜10日(月)。里曳きは上社が5月3日(水=祝日)〜5日(金=祝日)、下社は12日(金)〜14日(日)。公表は前回22(同4)年の時より1年早く、大祭には神事にとどまらない側面もあることから、関係機関と共に準備を進めたいとして前倒しした。下社秋宮参集殿で会見した大総代会の増澤哲議長(69)=下諏訪町=は、コロナ禍の前回は形を変えての斎行を余儀なくされたが、今回は通常通りに戻す方向で協議を進めているとし、「皆さんが終わった後、笑顔で『いい祭りだった』と言えるよう準備を進めていきたい」と語った。
 日程は前回までを参考に、大総代会で決定した。公表は10(平成22)年、16(同28)年が開幕まで1年数カ月のタイミング、前回は2年前の20(令和2)年4月で、今回は更に早まった。
 背景について、桃井義弘権宮司は「諏訪大社の一神事、県無形民俗文化財としての御柱祭、市民のイベントの部分もある。幅広い皆さまと諸準備を進め、合わせて善光寺の御開帳と県の二大行事として機運を盛り上げていければと公表を早めた」などと説明した。
 増澤議長は、氏子の立場としても公表が早まったのは「ありがたい」と受け止め、通常通りという意味では年ぶりとなる山出しを念頭に「経験ある方たちも年を重ね、若手への引き継ぎもある。各地域での組織づくりや、雰囲気の盛り上げは早いに越したことはなく、楽しいお祭りにするにはどうしたら良いか協議しながら進めていきたい」と述べた。
 加えて、大総代会としては「安全を最優先にする」との従前の考えを改めて示し、「そのためには規制もかけないといけない。きちんとしたルールを作り、それを徹底することも再度やっていきたい」と力を込めた。

来月、下社「仮見立て」

 この日の会見では、下社御用材の候補木を決める「仮見立て」を5月12日(月)に行うことも発表された。場所はこれまで通り、下諏訪町の東俣国有林で予備日は翌13日(火)。時間など詳細は検討中だが、増澤議長は「山を守り、木を長く守っていく立場であり、大勢が入ると山が傷む。そこも考慮して検討を進めている」とし、入山には一定の制限をかける可能性を示唆した。
 このほかの祭事については、桃井権宮司が現時点での見通しを説明。26(令和8)年5、6月ころに上社仮見立て、同時期に正式に御用材と決める下社本見立て、翌27(同9)年に上社本見立て、下社の伐採を行うとした。
 上社御用材の調達場所はことし中に決め、慣例では曳行分担を決める「抽籤式」(おんばしら年の2月15日)後に行う上社の伐採は「前回、前々回とおんばしら年の前年に行った経緯もあり、上社安全対策実行委員会、山作りなどと協議して決定していくことになる。今時点では時期は未定」とした。
(写真は、御柱祭の日程を発表する増澤議長=右から2人目)