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「明けの海」を宣言 御神渡り4季ぶり出現ならず
2022年2月4日
諏訪湖の「御神渡り」の観察を続ける八剱神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司は「節分」の3日、出現は厳しいとして「明けの海」を宣言した。4季ぶりの出現へ一時、期待は高まったが河口や諏訪湖の中央部分は氷が解け波打つ状態。宮坂宮司は「寒い冬を感じ絶対できると期待したが、今後の結氷は難しい。祈りが足りなかった」と話した。19日(土)に八剱神社で御渡り(御神渡り)奏上祭を行い、神前に「明けの海」を奉告する。
観察活動は「小寒」の1月5日から開始。7日に全面結氷し、その後は解氷と結氷を繰り返した。「大寒」すぎの21日は手元の温度計で氷点下11.5度と観察以来、最も冷え込み氷の厚さも約10センチに増した。更に23日には旧六斗川河口で御神渡りの兆候となる氷のせり上がりも確認。下諏訪町高木には約15センチの厚さの氷塊が打ち寄せられ一層期待も高まったが、日中の暖かさや風の強さで次第に解けた。
この日の諏訪市豊田の舟渡川河口付近の気温は手元の温度計で氷点下1.5度、水温は1.7度。河口付近には4ミリの薄氷が残る程度。宮坂宮司は「薄氷が波で寄せられ、キュン、キュンと“鳴いて”いるようだった。春がそこまで近づいてきている」と残念がった。
今季について「『変』『怖』『美』『結氷の重み』を感じた」と振り返り「明けの海を受け止め、御柱祭にみんなの力を注いでいければ」と期待。大久保一大総代は「凍った諏訪湖に乗るのは小学生以来、何十年ぶりだった。今まで見たことのない貴重な体験ができた」と話していた。(写真は波打つ諏訪湖を背に「明けの海」を宣言する宮坂宮司=右から2人目=ら)